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SOUND QUEST by 紅雪(Kohsetsu)

今西紅雪(音楽家・翻訳家)


by soundquest

大阪大学グローバルCOEプログラム公開参加型ワークショップ“Rhythm Science”

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「DJすることは書くこと、書くことはDJすること。書くことは音楽なんだ。」(ポール・D・ミラー)

明日、拙訳書DJ Spookyの『リズム・サイエンス』の共訳者、上野俊哉氏のお誘いで、
以下のイベントで少し氏と対談します。
先日たまたま別件でPA機材を搬入しにコーポ北加賀屋に行って remoのメンバーに会ったら、その中に4日の企画サイドの方がいてびっくり。
お話うかがったところ、本書で論文を書いてくれた学生さん二人が企画してくれたそう。
思えば本書が刊行されてからもう二年ほど経ちますが、
こんな風にたくさんの方にご愛読いただけていることが何より嬉しいです。
アットホームなゆる~い進行でどなたでも参加可とのこと、お時間ありましたらお越しください。
石釜で焼くピザが絶品だとか↓

12/4 横断するポピュラー・カルチャー 公開参加型ワークショップ“Rhythm Science”

本イベントでは、ポール・D・ミラー氏の著書『リズム・サイエンス』の訳者(今西玲子と共訳)のひとりである上野俊哉氏を迎え、DJ/TJを交えた『リズム・サイエンス』についての講演(第一部)からDJ/TJの横断性について検討する。さらにDJイベント(第二部)をとおしてクラブ文化における人々の集まりの可能性について探ってみたい。
DJ SPOOKYことポール・D・ミラー氏が述べているように、複数の文章をつなぎあわせながら書くことと、複数の音源をつなぎあわせながらDJすることはとてもよく似ている。
 「そういう意味で、DJならぬTJ(Text Jockey , TheoreticalJockey)という概念を思いついた」(上野俊哉)。DJすることと書くこととの重大な接点を見いだした上野俊哉氏は、複数の文章をつなぎあわせながら書くことをDJになぞらえてTJと呼び、DJ/TJの横断性に注目している。
さまざまなリズムやテクストの境界を横断するDJ/TJの実践をとおして、私たちはどのような〈共(コモン)〉を開くことができるだろうか?

開催日 2010年12月4日(土)
会場 カフェ・コモンズ 高槻市富田町1-13-1 WESTビル5F http://cafe-commons.com/
JR京都線摂津富田駅、南出口より徒歩3分。阪急京都線富田駅、北出口より徒歩2分。

タイムテーブル(予定)
第一部(15:00~18:00)上野俊哉氏講演とディスカッション
第二部(18:30~22:00)DJイベント

参加費は無料です。
事前申し込み不要でどなたでもご自由に参加いただけます。(飲食実費・持ち込み歓迎)

講師の紹介
Toshiya the tribal a.k.a 上野俊哉(うえのとしや)
和光大学教授。社会思想史、文化研究、メディア論。著書『アーバン・トライバル・スタディーズ―パーティ、クラブ文化の社会学』(月曜社)、『ディアスポラの思考』(筑摩書房)ほか多数。訳書にポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック―近代性と二重意識』(月曜社)など。

企画:太田健二(大阪大学招聘研究員)・栗山新也(大阪大学文学研究科大学院)
主催:大阪大学GCOEプログラム「コンフリクトの人文学」・リサーチフォーカス「横断するポピュラーカルチャー」研究プロジェクト
問合せ先 crossing-popularculture@let.osaka-u.ac.jp
本イベントは、前日2010年12月3日に開催される「コンフリクトの人文学セミナー」
(第59回講師・上野俊哉氏)との連携企画です。


21世紀の関係の詩学!リズム・サイエンス
ポール・D・ミラーa.k.a. DJ Spooky that Subliminal Kid著
上野俊哉+今西玲子訳 
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【装丁・本文設計】前田晃伸
本体2400円(税別) CD付
青土社

NY在住DJスプーキーの本名名義ポール・D・ミラーによる音楽・芸術論。
音楽・映画制作と平行して批評活動も行う彼の本邦初訳。
語りのリズムが独特で、短いながらもネタが随所に織り込まれたくせのあるテクストを
上野俊哉氏と今西玲子が共訳。上野俊哉氏の解説・日本語文献のブックリスト、
ベルギーSub Rosaレーベル抄録のDJスプーキーによるミックスCD、
イルドーザー出身の前田晃伸氏の装丁!

***************
原書はMITから助成でも出ているのか、真ん中に穴が開いていて(ひも理論らしい)、
2ページごとにCOMAのグラフィック、裏表質感が違う紙という凝りよう、
まさしく本の中身をサンプリング、体現している傑作デザインで、
なんとか一緒に紹介できないかと思ったのだけど、
日本の印刷事情ではまずムリな技術が使われていたりして。

原書

ここは日本版として前田晃伸氏にお願いしたら逆に素晴らしい出来に。
レモンイエロー冴えてます。ツンと脳にきます。
青土社風味に変身しつつ、例外的に光る中身。
ネタ満載の曲者フル・ミックスCDがついてこの値段はお買い得すぎます。
というか、これCDついてるの気づかれてるんだろうか?
編集担当された大友哲郎さんとのフレッシュコンビ、
訳者二人のもつれた二人三脚と、
最終段階では全員死ぬ思いで仕上げた渾身作です。
著者、訳者、編集者、装丁家、全員ミュージシャンというチームでできたことも嬉しい。
かなり丁寧に、きちんと訳せたと思います。
そのコトバは詩のように抽象的なところもあったりするけど、
ものを創る人ならツンと胸に響く、冴えわたる表現にあふれています。
全てのクリエイターに読んでいただきたい一冊。


最後はやはり、ジョージ・クリントンのこの言葉で・・・

思考しろ!それはまだ違法じゃない!
by soundquest | 2010-12-03 22:37 | 翻訳/ translation | Comments(0)